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消費者契約法と不動産取引(08.09.05)

 福田総理が提唱し実現に向けて行動していた“消費者庁”ってどうなるんでしょうね。
 さて、消費者を守るための法律として消費者契約法があります。不動産取引に関わらず、広範囲の契約行為に対し、経験と知識を持つ事業者と持たない消費者の力の格差による不当な被害を救済するために設けられました。
 不動産取引では、宅地建物取引業法という消費者を守るために不動産業者の営業活動を規制する法律があります。業法の場合、規定されている内容に抵触するかどうかという具体的な行為で判断するのに比べ、消費者契約法では、結果を見て判断するという違いになると感じられます。
 違う表現をすれば、業法は不動産取引に特化していることから具体的な内容を細かく規定できるのに対し、消費者契約法では広範囲な業種を対象とすることから抽象的な規定までとなっている。
 さらに違う表現をすれば、業法では業界の仕組みから営業活動内容まで規定し契約前の部分を中心として制御しているのに対し、消費者契約法では契約そのものと契約後の取り扱いで制御している。
 法律家ではないので一部不適切な表現もあるかもしれませんが、現場の感覚ではこのような感じを受けています。
 消費者契約法の基本的な部分は、相手が事業者であるとき、事業者の行為により、消費者が誤認・困惑したとき、契約の申込・承諾の意思表示を、取り消せる、という“取り消し”行為と、消費者の不利益になる条項は“無効”になるという点です。※相手が事業者でないとダメです、契約そのものの取り消しもできると思われます。

第一条 この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 ここで言う事業者の一定の行為とは以下の通りです。
・不実告知(事実と違うことを伝える)
 例:築10年の建物を築5年と伝える、など
・断定判断の提供(不確実なことを断定して伝える)
 例:将来必ず値上がりする、など
・不利益の不告知(不利なことを伝えない)
 例:隣地に嫌悪施設の計画がある、など
・困惑行為
 例:不退去、監禁、威嚇など
 これらのことを重要事項に関して行うと消費者契約法の対象になります。ここでいう重要事項と宅建業法での重要事項説明とは異なります。消費者契約法でいう重要事項は、契約を締結するか否かの判断材料になるかどうかで決まります。
 例えば、宅建業法での重要事項説明違反があったとしても、消費者契約法でいう重要事項にあたらないということもありえます。※重要事項説明違反として業者は処罰されますが。
 なお、契約が取り消されるということは、最初からなかったこととして取り扱われるので、契約そのものが前提条件の仲介手数料請求権もなくなります。
 この契約が取り消せるのには期間が定められており、一定行為を知ってから6ヵ月以内、かつ、契約をしてから5年以内でないと行使できません。また、善意の第三者に対しても行使の影響は与えられません。
 このように、不動産取引においては宅建業法、さらに消費者契約法で、消費者の利益を守っています。しかし、行政側は、事業者側を厳しく見ていることに加え、一方的に守ってもらおうという消費者の甘えた考えを許容しているわけではなく、自己責任という部分も同法で明確に記載しております。

第三条 2 消費者は、消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情報を活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解するよう努めるものとする。

 この条文では、消費者も騙されないように勉強しろ、考えろと言っています。いろいろな法律で被害にあった場合の規定はありますが、被害に遭わないことがなによりなのですから、自分で自分の身を守ろうという意識は必要です。





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