売却時の告知事項について(04.09.02)
[質問]
自宅を売却検討中です。16年前に火災で全焼し、その土地に注文建築で建てました。売却時には以前の家が火災にあったことも知らせるべきでしょうか?火災の後は更地にし、地鎮祭もして清め、一切燃えカスなどはありません。
[回答]
まず、基本姿勢ですが、不動産売却をする場合、不利になる恐れのある事項について、出来れば話したくないという売主様のお気持ちも分かりますが、知っている情報は包み隠さず開示して、その上で契約を締結することが望ましいです。
事前にお話すれば問題なく済むものも、後々知ることによって、かえってトラブルになることもあります。売った後まで、いつ気づかれるかなと心配するより、すっきりと売却された方が、精神的にもよろしいのではないでしょうか。
しかし、そう理想ばかり言っても、現実的には売却価格が不利になることも考えられるので、伝えなくていけないものかお知りになりたいのが、売主様に共通する心理だと思われます。
告知すべきかしなくてもいいものかの判断基準については、「その事実を知っていなければ買わなかったであろう」と認められるかどうかという抽象的なものであり、事件・事故の内容、経過年数、その後の利用状況など具体的な基準があるわけではございません。
火事があったことが物件の瑕疵(欠陥)にあたるかどうかということは、火災によって人的被害があったかどうか、火災原因などによって変わります。
では、今回のケースを考えてみたいと思います。
※最終的に告知する義務があったかどうかを判断するのは裁判所になり、今回の内容は私個人の見解と予めご了承下さい。
・経過年数
通常、判例や業界の慣行から売買の時は10年、賃貸の時は5年を経過して
いるかどうかが分かれ目と考えられており、今回は16年経過していること
から、告知する必要性までないと思われます。
・お祓い
物理的な瑕疵と違い、今回のような心理的な瑕疵は、拘りすぎるときりがなく
なることから、「お祓い」などによるお清めをもって一区切りと考えても
よろしいと思われます。
・当該建物滅失
火災当時の建物は滅失しており、既存の建物で火災があったわけではなく、
火災の影響を土地建物とも受けていないことから、告知する必要性はないと
思われます。
・火災後の経過
推測になりますが、火災後に新築した建物に生活をした事実があり、その
生活中に特段と異常なことがなければ、火災による瑕疵がないことを証明
したことになるので、告知する必要がないと思われます。
・人的被害、火災原因
この内容については不明ですが、どのような内容であっても上記項目から
考えますと、告知する必要はないと思われます。
以上のことから、総合的に考えまして、火災による物件の瑕疵はないと考えられ、
告知する必要まではないと思われます。
難しい問題となりますが、告知したほうが望ましいものの、法的(取引的)には、告知しなくても問題はないのではないでしょうか。
また、売却をする際は、依頼する不動産会社の見解によって変わることもございますので、充分なお打ち合わせをして下さい。
私個人としましては、どのような場所でも大昔からの歴史があり、考え始めたらどこも駄目になると考えられることから、ある程度和らぐことで開放されるべきだと思っております。
もし、人の死や事故をもって、何もかも駄目だと考えていくと、交通事故により死亡した道はどうなるのでしょうか。通れる道がなくなってしまうと思います。
自分に関係ないことには騒ぐ野次馬的な近隣にも問題があると思っています。
誰でも自分が購入した不動産にまつわることを聞かされたら、嫌な気持ちになるのは当たり前だと思います。もっと他人の気持ちを考える気遣いが欠けてきた社会的な問題かもしれません。
今回のケースでは、告知する必要はないと言い切って差し上げたいのですが、
無責任な発言をすることによってご迷惑をお掛けしてはいけませんので、
理想的なこともお話させて頂きました。
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