数量指示売買(実測売買)(08.08.29)
民法及び判例では、数量指示売買とは、当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積・容積・重量等を売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金が定められた売買をいうとしています。
数量指示売買そのものは一般的な事柄であり、不動産に限ったものではありません。また、土地や建物を数量や容積・重量で取引することは現実的にはありませんので、面積に焦点を絞ったものになります。
さらに建物に関しては、取引対象になることや価値が評価される場合、比較的新しい建物であることが多く、その場合、建築確認の設計や登記の面積が大きく異なることが少ないことから、土地の取引で主に行われます。
数量指示売買となるのは、一定の面積があることを条件に取引され、面積の単価に乗じて価格が算出された場合です。このことから、実際の土地の面積を測って取引するという実務上の形態から実測売買と言われます。(業界では、数量指示売買という言葉を使うと、おそらく、?という反応をされ、実測売買というとすぐ理解されます)
この数量指示売買(実測売買)となる場合、不動産売買契約書に、「実測により面積に増減があったときは、1㎡当たり‥万円で清算する」といった約定事項が記載されます。
このような記載がなく、公簿や測量図の面積が記載されただけであれば土地の内容を表示したに留まり、実測売買とはなりません。または、公簿売買とし面積の増減があっても清算しないという記載があれば、公簿売買となります。
ただし、公簿面積よりも実測の面積が小さいケースで、実測売買である記載がなくても、公簿売買である説明や条項がなく、買主が実測することを求めた事実があり、単価を基準にした価格交渉があったことから、実測売買(数量指示売買)と認めた判例もあります。
この場合、民法の規定により、瑕疵担保の取り扱いと同様に、代金減額、損害賠償、解除(面積が小さくて利用できない場合など)の請求ができます。瑕疵担保と同様、事実を知ってから1年以内の請求に限ります。
逆に、実測の面積が公簿面積より大きい場合、売主側より代金増額請求ができるかというと、法的にはできないとなっております。(不足していた場合の買主側の権利した記載がない)
民法第565条:~、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったとき~
現実の取引では、既に公簿として登記されている土地の場合、公簿を基準とした公簿売買になることが一般的です。この際、公簿面積の基になったのは何なのか、実際の土地がどのような状況に置かれているのかから判断し、公簿売買と実測売買の見極めをしなければなりません。
ごく最近の近代測量の測量図が完備されており、公簿面積と実測面積が大きくことなることはないだろうと思われれば、公簿売買でも良い。逆に測量図がない場合や測量図が古くて信頼性に欠ける場合は、実測売買にした方が良い。
※取引の中での実測売買の場合、面積が大きくなった際に売主が代金の増額請求をできるような取り決めが多いが、これは取引での約定を尊重しているもの。このような取り決めがない場合は売主に代金増額の請求がないとしているまで。現実では、感情ある人間同士の取引になるため、法律的な根拠を主張し、減額ありの増額無しという取り決めでは売主が感情的に納得しないと思われる。公平に面積×単価での清算にする方が円満になる。
また、公簿売買と実測売買の中間的な取引も行われることが多い。これは、公簿売買であり代金の清算はしないが、実測の実務だけは行い、面積に関してすっきりさせるというもの。
これらのことに関し、土地や売主の状況、感情的な部分、取引の代金そのものや不動産相場など、微妙な兼ね合いを考慮しながら、バランスよく取りまとめていくことになる。
自分の都合の良い部分だけを取って主張すること、小さく勝って大きく負けるということにも成りかねないので、ご注意を。
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