不動産を見学・検討された後、気に入った物件が見つかり、購入したい意思が固まりますと、購入の申込をすることになります。通常、口頭だけでの申し込みで受け入れられることはなく、書面にて購入したい旨の意思表示をします。この時に出す書面を購入申込書または買付証明書と言います。
不動産会社やハウスメーカーの営業マンから、申込しましょうとか買付出しましょうとか言われたら、書面にて購入申込の意思表示を売主へ伝えましょうということです。この申込書には、購入したい不動産の表示と購入希望条件を記入します。この時の購入希望金額を「指値(さしね)」と言い、この書面に指値を記入し売主に値引き交渉をすることになります。
【注意その1】
値引き交渉は、書面によってするのが一般的です。よく、口頭でどのくらい下がるか聞かれることがございますが、答えられる数字は担当者の推測値になり、はっきりした金額をお答えできません。
【注意その2】
わたしは頂いたことがないのですが、購入申込時に申し込み金を求められることがございます。これは法的には意味がないもので、購入者の意思の強さを表すだけのものです。
もし、不動産会社から申込撤回時に、申込金は返せませんよと言われたら、すぐに監督官庁に連絡してください。必ず戻りますし、その不動産会社には行政処分が下ることになると思います。
【注意その3】
この購入申込には、法的拘束力がなく、買主・売主ともに撤回することが出来ます。しかし、このことを悪用して同時に複数の物件に購入申込をする人も多いと聞きます。このようなことは人道的に反することでありますし、複数の物件の中で一番に購入したい物件があるはずですから、その順番どおりに交渉していくのが当然だと思います。(例えれば、同時に複数の人と婚約するようなものです)
【注意その4】
よく、物件を押さえといてくれとか止めておいてくれとか依頼されることも多いですが、口頭で申込を受けられないことや複数の申込が出来ないことから、書面にて売主側に申込の意思表示をしなければなりません。購入申込書を売主側に提出することにより、始めて物件が押さえられ優先交渉権が発生します。
また、優先交渉権を確保するためだけに安易に購入の申込をすることもいけません。不動産会社やハウスメーカーの担当者から、安易に購入の申込をするようにお誘いがあることもあるかと思いますが、そのようなことがまかり通っていては、いつもでも不動産業界のモラルが低いままです。
このように自分(自分のお客様)さえ良ければいいと、自分勝手なことから始まりますと、取引にトラブルになることも多くなると思いますし、そのような担当者だと、何かあると会社の都合・自分の都合を言ってきますので、後味の悪い結果になると思います。(このことから、お客様やハウスメーカーの担当者からは、私のことをちょっと物足りなく思われると思います。もっと、自分の時だけは目をつぶってガツガツ行って欲しい、ルール違反をしても自分のためだけに動いて欲しいと思われているのではないでしょうか。しかし、そのようなことは私はしたくありませんし、お受けしません。もし、そのようなことをお望みでしたら、私に頼まないで下さい。きっと居ると思いますよ、何でも言うことを聞くペコペコ営業マンが。ルール違反が出来るということは、いつでも裏切れる、嘘を言えるということと同じです。)
【注意その5】
通常、価格以外の取引条件についても購入申込時に書面にて交渉します。取引条件も行き着くところ価格に反映されるものですから、価格交渉が折り合った後から、更に取引条件を付けることは原則として出来ません。(これは売主側からも同じです)また、後からこのようなことをする必要がないように購入の申込をする際は、しっかり打ち合わせて確認の上で提出するようにしましょう。
【注意その6】
会社や上司の命令で、とにかく何でもいいから買付を取り付けろと言われるような荒い会社もまだまだ多くあると聞きます。これは一度購入の申込をすると、意思の弱い人では撤回することが出来ず、そのまま納得もしないままでも契約に至ることができるからです。このような会社の担当者は、ほんとはお薦めできない物件でも、何とか買付を貰おうと必死になってしまいます。このような会社は避けた方が無難です。
【注意その7】
購入申込書には、代金の支払い方も記入します。手付金がいくらで残金がいくらなのか、価格のうち住宅ローンをどこにいくら申し込むかなどです。この内容によっても、取引条件に影響が出ますし、契約にも反映されます。不動産を探すにあたって、資金計画を全く考えずに進むことはないと思いますが、最終的には購入申込時に資金計画はほぼ固まります。(固まらないままに購入へ進むのはとても危険です。)
【注意その8】
購入申込後、条件が折り合えば契約移りますが、通常この間は一週間程度です。これは、条件が折り合った後に、ずるずると法的拘束力がないまま時間を取ると、せっかく買う(売る)ことが出来るようになったのに、相手側の一方的なことでキャンセルになることを防ぐためです。これはどちらにとっても機会損失を減らすためのことで、どちらに不利になるということではございません。
法的拘束力がないとは言っても、やはり申込の意思表示をするわけですから、それなりの重みはあります。きちんと確認すべき点は確認し、よしとなってから申込をして下さい。とは言っても、この確認していく時間内に他の方から申込が入ってしまえば終わりでしょというジレンマもあると思います。だから、しっかり探す前の事前準備が大切なのです。
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