建物区分所有法(08.09.03)
正式名称:建物の区分所有等に関する法律
第1条 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。
いわゆるマンションのことを定めた法律です。独立した不動産である一戸建て・土地と異なり、ひとつの建物を区分所有するマンションの場合、その形態から独特の取り決めがあり、この法律で区分所有を定めていることから、マンション各戸をそれぞれに所有できるようになっております。
この区分所有法(マンション特有)ならではの主な取り決めは以下の通りです。
・共用部分の取り決め
マンション全体を見た場合、区分所有する各部屋とみんなで利用する廊下などの共用部分に分かれる。規約で区分所有できる部屋や倉庫なども規約で共用部分にできる。ただし、登記しなければ第三者に対抗できない。
この共用部分は原則として床面積の比による持分での共有になる。この共用部分の共有持分は区分所有権と分離して処分することはできない。区分所有権が移転した場合、それに付随して共用部分の共有持分も移転する。
※共用部分を取り決めた条文は長文になるため割愛致しました。
・敷地
区分所有の建物と土地は別個の不動産であるが、敷地部分が分離したままだと複雑になりトラブルの基になるため、同法では原則として敷地を分離処分することを禁止している。(考え方は共用部分の取り扱いと同じ)
第22条 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
・区分所有者の権利義務
一つの建物を区分して所有し利用する形態のマンションの場合、それぞれが快適に生活するため、迷惑をかけてはならないと明文化しています。(当たり前のことなのですが)
これは区分所有者だけではなく、賃貸物件として借りた入居者などにも適用されます。区分所有者が賃貸する際は、この点を借主にきちんと説明する必要があります。
第6条 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
・規約
各マンションそれぞれに事情があったり、法律で定めるまでもないことを、各マンションごとに規約を定めて取り決めることができます。例えば、ペット飼育やピアノの利用、フローリングの可否など。
第30条 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
・管理組合
同法の定めにより、区分所有者全員で団体(いわゆる管理組合)が構成されます。マンション運営の全般に関し、この団体が開いた集会での決議で取り決められ、この決議に従うことになります。決議に必要な割合は決議内容により異なる。賃借人なども利用に関わっているので集会に参加はできるが議決権はない。
管理組合は区分所有者という一般の方で構成されているため、建物の維持管理メンテナンスのプロであるとは限らないことから、別に管理人(管理会社)を選任し、その業務にあたらせることができます。なお、管理形態は組合と会社での取り決めであり同法で定めるものではありません。
※管理組合を取り決めた条文は長文になるため割愛致しました。
・義務違反者に対する措置
建物の保存、管理、利用に関して、区分所有者“全体”の利益に反する行為を行うものに対し、管理組合の名の下に、その行為の停止、予防、結果の除去を請求することができます。(裁判所へ訴えを提起する場合は集会過半数の決議)
悪質な違反者の場合、使用の停止、区分所有権の競売、賃借人の場合は退去を、集会4分の3以上の決議で裁判所へ訴えをすることもできます。(こちらは裁判によるのみで直接請求はダメ)
第57条 区分所有者が第6条第1項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
以上が不動産購入に際しての同法の要点となります。共用部分・敷地の取り扱い、共同生活する上での組織や決まりごと、などがポイントでしょうか。
この他に、管理費や修繕積立金の取り決めは規約によるものとし、管理組合(管理会社代行)が管理します。また、バルコニー(専用庭、駐車場)は区分所有の対象ではなく共用部分を専用使用する形態になります。
また、マンションで特殊なのは、専有部分の面積計算手法が二種類あること。パンフレットなどに記載されているのは壁の中心線で計った壁芯計算であり、登記簿に記載されるのは壁の内側で計った内法計算になる。
面積が二種類になるのは、同法の取り決めではなく、建築基準法による計算(壁芯)と不動産登記法による計算(内法)の手法が異なることが原因。なお、住宅ローン控除での面積規定は登記簿面積を採用するため、壁芯で50平米の面積があっても、登記簿が45平米になると対象外になるので注意が必要です。
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