不動産屋の免許(08.09.15)
不動産会社を規定する法律である宅地建物取引業法では、宅地建物取引業(いわゆる不動産会社)を営むにあたって、免許制度を採用しております。個人資格の免許である宅地建物取引主任者とは別。
業法では、免許が必要な宅地建物取引業者を次のように定義しております。
第2条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
1.省略
2.宅地建物取引業
宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行なうものをいう。
3.宅地建物取引業者
第3条第1項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者をいう。
“業として”というのは、不特定多数の人を相手に、反復継続することです。
上記の取引内容で、不動産売買は自ら売主となるものも含め媒介と代理が対象となるが、賃借の場合は自ら貸主となるものは含まれておらず媒介と代理のみが対象になる。
自ら売主となって複数の不動産を売却する場合は免許が必要であるが、自ら貸主となって不動産を貸す場合は免許は不要である。こうでなければ、大家さんはみんな宅建業の免許が必要になってしまい、今はやりの不動産投資はかなり制限されてしまう。
難しいのは、自ら売主となって複数の不動産を売却する場合。不動産を売却することを目的として購入し売却するという行為を繰り返すのであれば完全にアウトだが、もともと所有する複数の不動産を売却するのはグレーゾーンであるものの、社会通念などから許容されているのが実情である。(監督官庁である県庁に確認しても、大丈夫とまでは言えないが仕方ない部分ではないかという柔軟な回答)
この免許を受けるには、数多くの基準があり、主なものは次の通り。免許を受けるものが欠格条件(破産、前科、経歴など)にあてはまらないこと。専任の宅地建物取引主任者を設置すること。営業保証金を供託(保証協会への加盟)をすること。厳密には免許を受けるのに供託が必要ではないが、供託がないと営業を開始できないため、同一に記載しました。
この免許は更新制度を採用しており、免許期間は5年間(以前は3年間であった)。不動産会社の名刺や会社案内などに記載された免許番号の()の中にある数字が更新回数を表しており、最初は1、更新を1回すると2というように増えていく。()の中の数字が大きいほど、古くから営業していると判断できる。
ただし、ひとつの都道府県のみで営業しているときは知事の免許であるが、複数の都道府県にまたがり営業する場合は国土交通大臣の免許となる。免許そのものが変わるという取り扱いになるため、知事から大臣免許へと変わると()の中の数字は、改めて1からのスタートとなり、大臣免許の(1)だからと言って新しい会社とは判断できない。
※複数の都道府県にまたがり営業するとは、複数の都道府県の不動産を取り扱うということではなく、営業所の設置で判断する。千葉県知事免許の不動産会社が東京都や茨城県の不動産を取り扱うのは構わない。
この宅地建物取引業者の免許に関する情報は、免許を与えた官庁に備え付けられている業者名簿が一般公開されており、ここで確認できます。公開されている内容には、基本的な事柄に加え、処分歴や資産内容も含まれます。資産内容は日々変化するため、記載されている内容の正確性には問題がありますが、処分歴は随時記載されることから、怪しい業者、危ない業者かどうかを推察することは可能です。
免許制度は、業法の最初に記載されていることからも分かるとおり、不動産業者への監督の基本中の基本です。このため、免許制度を揺るがすような無免許制度には厳しい罰則規定があります。(懲役刑になることさえある)
ただし、無免許営業は業者としての処罰であるに留まり、無免許営業で行なわれた不動産取引そのものには影響しません。無免許業者から購入しても売買そのものは有効に成立。
不動産を購入する際、不動産業者が介在しないというのは極めて稀なことで、ほとんどの方が何かしらの形で不動産業者と接触します。この業者が信頼に足りるかどうかは、とても大事なことです。
これは不動産購入のガイドブック的な書籍や雑誌などでも言われていますが、その中に()の中の番号が大きい方が古くから営業していることであり信頼できるという記載があります。
長期間に渡り営業できているのは、業務的にトラブルもない証であるとも言えなくはないですが、古い=信頼となるかどうかは別です。古くからの会社の場合でダメな典型は、昔からこうやっていると時代錯誤な押し付け、今の法律規定などに疎い、など。
免許番号で分かることは、古いかどうか、広域に営業しているかどうか程度のこと。古くてもしっかりしている会社もあれば、新しくて乱暴な会社もある。広域でもダメな会社もあれば、良い会社もある。
信頼できる会社の見極めは、表面からではなかなか難しい。
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