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不動産流通市場の整備(08.06.29)

 不動産流通市場を整備するために昨年設置された流通市場研究会が中間の取りまとめ内容を発表しました。不透明で不公平な不動産流通の仕組みを大きく変えてくれるものと期待しておりますが、どのようなものでしょうか。
≪中間取りまとめ概略≫
◆社会経済情勢の変化、IT技術の急速な普及拡大、消費者意識の高まり等を背景とした様々な変化から
→不動産流通に係る諸制度やルールの不断の見直し・整備が必要である。
→流通のプロである宅建業者が、消費者に情報を的確に提供し、円滑な流通を実現するだけでなく、将来の紛争予防も図りながら安心安全な取引が行える関係を構築し、消費者から信頼され頼りにされるその役割を一層高めていく必要がある。
◆既存住宅の安心安全な流通、紛争予防のために、建物の履歴や現状に関する情報を整え、媒介業者の価格査定、買主側の判断材料として提供されることが有効である。
→告知書の活用促進、一般化する。媒介業者が調査説明するのではなく、売主の責任で作成された告知書を正確に円滑に提供。
→建物検査の普及。契約の前に建物検査を実施するよう媒介業者が働きかける。その結果を告知書として引き継ぐ。
→価格査定の充実。告知書の普及や不動産取引情報提供システムの拡充、マニュアルの整備により、合理的な根拠と適確な説明をし、売主買主双方の納得と信頼を得る。
◆重要事項説明(契約前に義務付けられている重要項目の説明)を消費者が実質的に認識し理解した上で判断できるようにすることが重要である。
→書面交付で足りる項目を選定するなど重要事項説明の合理化を検討。
→売主から買主へ直接提供すべき情報は媒介業者の重要事項説明から外す。
→契約直前(現在は契約当日に行うことが多い)でなく事前に書面交付をし消費者の理解を深める。ただし、消費者が承諾、申し出をした場合は事前交付不要。
→契約締結後に事情変更があった場合は変更事項の情報を提供する。
→重要事項説明書の記載内容や説明方法を消費者の属性に応じて配慮する、分かりやすい制度を明文化する。
以上

 この研究会の背景や主旨は理解でき、ぜひやるべきだと思う。しかし、内容に関して、?と思われる点も多い。これは大手流通業者(それも現場から離れている役員)と役人の方が協議していることが影響しているのだと思われる。
 前半部の、告知書の整備、建物検査など買主側に客観的な情報を提供できる仕組みは良い。それに伴い、価格査定に関して、現在、各業者の営業的な思惑に大きく左右されている部分を少しだけ廃除できる仕組みも良い。
 問題なのは後半部とこの取りまとめから漏れてしまっている点について。
 重要事項説明について、現在、契約当日に行われることが多いものを一定期日前に行うのは良いが、書面交付のみでどこまで理解できるのか疑問。
 一般的には、契約前に購入の申込・内諾という行為が伴うのであるから、その段階を一定期日前と置き換える方がベストである。
 ただし、買主側の不動産業者では物件のことなど調査に限界があるので、売主側の不動産業者が販売活動する前に、前半部で出てきた告知書・建物検査と不動産調査を行い、いつでも買主側からの質問などに答えられる準備が必要になる。
(買主側の不動産会社から“購入希望者に申し込み前の重要事項説明をするので説明書と資料を送って下さい、と連絡が入り、はい分かりました、すぐ送ります、という感じです)
 例えば、自動車を購入する時、購入を希望している人が営業マンに質問をしたとして、営業マンが「それは調べていないので分からないです」と答えたら、どうなるでしょうか。購入希望者はそれがはっきりするまで買わないだろうし、そもそも売る側が知らないということに不信感を抱くのではないか。え~、この車に使用されるガソリンは不明で~す。なんて。
 売主側の不動産会社になるケースは大手流通業者に多く、このような手間と費用を掛けると利益が減ります。消費者にとってベストな制度でも、利益が減るとなれば業界側は反対するでしょう。特にこの研究会は大手流通業者の方の割合が高いので、まず無理だと思います。
 でも、逆に、きちんとした流通市場を整備するため、費用と手間が掛かるから単純に反対ではなく、仲介手数料のあり方からゼロベースで見直し、きちんとした制度にする、しかし、高度なサービスになるため手数料も上げさせて頂くという方が消費者のためではないでしょうか。
 同じく、重要事項説明の項目で一番分からなくてピンと来ないのが、消費者の属性(悪く言えば程度)で説明の仕方を分けるという点。果たしてどうやって区別するのでしょうか。あなたは程度が悪いので親切丁寧に説明しますね、と前置きするのでしょうか。
 これは制度化しなくても、根本的な意識さえあれば今のままでもできること。単純に“誰でも理解できるように”丁寧に説明すればいいだけ。
 これは私見であり外れているかもしれないが、小さい会社の方が大外れか大当たりのどちらかで、なってない説明にビックリもあるし、ここまで分かりやすく説明するかと感心することもある。
 おそらく小さな会社の場合、会社が守ってくれないので、逆にお客様のことを見ている。大きな会社の場合、会社が守ってくれるので、会社を見ていればよく、お客様が理解して納得したかは関係なく、会社の言われた通りに行っている人をよく見かける。
 ただ印刷された言葉や文章を読み上げるだけなら、宅建の試験は国語の試験にすればいい。漢字が読めて、すらすら読めればいいのだから。宅建という資格者しか重要事項説明ができないとしたのは、十分理解した人でないと、相手の方にも理解しやすい説明ができないからということである。印刷した文章で読むのではなく、自分の言葉で説明すべき。
 この読み上げればいいという発想だから、書面で見えもらえばいいというような発想がでるのでしょうね。確かに研究会に参加されるような賢い方ばかりならそうなのでしょうが。





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