あまりにも酷い醜い話(08.05.31)
不動産業界の実態と消費者が求めるものがかけ離れている。消費者が安心できる不動産取引の仕組みやサービスを提供を受ける、その見返りとして収入を得る。両者共栄できる姿形があるはずであり、それを目指すべきであるにも関わらず、実現していない。これは業界側に原因がある。
売主・買主とも、売却や購入の依頼を複数の会社にすることができる。ただし、お客様より直接、契約まで依頼を受けることができる不動産会社はそれぞれ1社。
買主側の場合、複数の不動産会社に情報の提供を受けることは日常的であり一般的である。しかし、売主側は不動産の売却を複数の会社へ依頼する方が少数派で、多くの売主は一社に絞って依頼をする。これを専任(専属含む)という。
しかし、どうしても一社に絞り込むには不安がある場合、複数の不動産会社へ売却を依頼する。これを一般という。不安になる理由は、依頼した会社が精力的に販売活動をしてくれるのかどうか、もしくは、複数のルートがあった方が、けん制しあったり、情報得ることにより、不利になるようなことがないだろうという心理。
一般で売り出された不動産は、市場の中に複数の会社から情報が提供される。複数の会社から売り出されていても、契約を担当できる=仲介手数料を受領できるのは一社のみ。このため、何とか自社で取引に参画しようと営業活動を行う。
ここまでは良い意味での競争原理も含まれているが、不動産業界の場合、この競争が行き過ぎることも多い。買主がこの不動産を購入しようとする際、売主が依頼した複数の不動産会社のうち、どこか一社を経由することになる。
その選ばれた一社を通して、商談中となり、売主と話がまとまると契約の予定となる。商談が入ったり契約予定となると、売主は選択された会社以外の会社へ売却活動の保留・中止の連絡をする。たいがいの会社は、その連絡が入ると、よかったですねと、その話が白黒つくまで静観する。
しかし、内心では、収入が入らなくなる・成績にならなくなるので、がっかりすることになるが、この中には、これが面白くなくて、他の会社経由で入った話をぶち壊そうと動く輩がいる。連絡を受けた後、売主へ甘言や脅しのアメとムチをつかい、その話を断るように仕向ける。
売却活動期間中に自社の収入や自身の成績にするため、頑張るのは大いに結構なこと。それが、商談中や契約予定になった後に、話をぶち壊すような活動は、違法なことではないが、根本的に間違っている。
購入予定の方はもちろんのこと、収入を得られないことで売主も自社自身のお客さんではないと考え、だったら、どうなってもいいやと暴れるのは、いかにも小っちゃい器。
自社自身のお客様ではなくても、消費者にとって、透明で公平で信頼できる業界の仕組みやあり方がどうなのかを頭の片隅に置いて、活動をして欲しいもの。これがあれば、自社自身のお客様かどうかは自分はどうあるべきか、正義を持って判断できるはず。
この会社の経営理念を見ると、“誠意をもって協調”、“業界の魁となり”、“社会から支持され”などと書いてある。
この会社だけではないが、立派な理念を書いてある会社が、ほんとうにそれを念頭に置いて活動しているのか疑問に思う会社も多い。
また、一般の場合は会社単位だが、専任で売却を依頼した場合でも、会社内で同様のことは起こる。先の一般のケースは、建売分譲で伸びてきた新興の中堅不動産会社であったが、専任のケースでは誰でも知っている超大手不動産会社。
この会社の挨拶では、“不動産流通市場の近代化・活性化に貢献し”、“業界をリードして”とあるが、実際の現場でやっていることは、昭和中期のイケイケドンドン、大昔の営業活動となんら変わらない。
どちらの会社も根っこにある共通した意識は、自社自身の利益が全てであり、消費者や業界がどうなっても関係ない、知ったこっちゃない。
逆に弁護すれば、社会や業界のこと、正義などよりも、自分のお客様の利益になるかどうかを最優先で考えているのか。でも、そういう方って、実際はそれを御旗にしているだけで、自分の利益とお客様の利益が反する場合は、自分の利益を優先させる人が多い。
言いたいことは、競争意識や自社自身の利益・成績のために動くことが悪いということではない。その活動の中で、消費者への思い、信頼される業界への志、公平なルールという秩序を持ったうえで、その次に、良い競争をし、自社自身のために動いて欲しいということ。
そして、国土交通省にお願いしたい。
不動産会社の直接の消費者に対すること。契約に伴う業務に関しては、かなり整備されてきて、消費者にも信頼され安心してもらえるようになってきたと思う。
しかし、契約に到るまでの営業活動やそれに付随する業務の部分が、まだまだ各会社や担当者の意識次第でどうにでもなる状況になっている。この不動産会社同士や自社とは直接接しない消費者へ影響を与える営業活動に関し、消費者にとって、安心でき、不利益になることなく、公平な取引になるように働いてもらいたい。
なお、この記事はフィクションであり、登場する内容は実在するものと関係はございません。
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