イタイ不動産会社(08.02.19)
“悪徳不動産屋”という言葉はほとんど死語になりつつありますが、ここ最近、不動産会社による違法行為に関しての相談が多いので、ちょっとご紹介します。
どちらも数年前の話です。購入した家を売却、建て替えをしようとしたら、購入した際の不動産会社による対応により、困った事態に陥り、どうしたらいいのかという相談です。
◇ケース1(詐欺?)
約10年前に建売住宅を購入。建ぺい率、容積率に違反した建物であることが発覚。謄本類などの書類上は問題なく、銀行から住宅ローンの借入を受けている。当時は建築の完了検査もなく、書類上問題なければ通った。
しかし、違反建築が分かった以上、それを隠して売却することはできず、不動産会社も告知する義務がある。違反建築である住宅には、原則として住宅ローンは利用不可。そのため、今回売却しようにも安値になってしまい、資金計画に支障が生じてしまった。
◇ケース2(重要事項説明義務違反)
約8年前に中古住宅を購入。道路の所有者は市であるが、官民査定(※1)の際、近隣住民と調整が不調に終わり、市道の認定が取れなかった。このため、建築基準法でいう道路としての扱いを受けられず、再建築が不可能であることが分かった。
購入当時、道路の土地は、謄本では公衆用道路という地目(※2)になっており、所有者が市であることから、不動産会社は道路は公道であり、建築基準法に適合した道路であると説明。
※1 道路などの官が所有する不動産と私有地との境界を確定する作業
※2 土地の不動産登記上の用途、種類
どちらの会社も営業中です。現在もこのような違法の取引をしているのかは定かではないですが、このような会社があることを頭に入れておくだけでも、不動産取引で自分を守る第一歩にはなります。
ケース1の場合では、建売住宅購入ではよくあるパターンのプロ対消費者という図式になり、不動産の知識では劣る消費者の方がプロにやられてしまった。もし、ここに仲介業者が入ると、プロが二社介在することになり、被害にあう確率を減らせます。ただし、二社が結託してしまえば同じですが。
ケース2の場合では、仲介会社の業務に問題があったのですが、これも業界で言う“両手※3”の取引でプロが一社のみ。共同仲介という形であればプロが二社になりますから、上記と同様になります。
※3 同一会社が売主・買主の両方から依頼されること(両方から手数料を受領→略して両手)
完璧な信頼というのは不可能であり、プロ以上の知識がないと被害を防ぐのは難しいですが、信頼できる会社へ依頼することが大事であるということが分かります。
なお、トラブルの解決や争いの相談に関しては弁護士さんでないと取り扱いできません。購入した時の不動産会社に対してどうするかは、今後お客様自身が考え、争うなら弁護士さんへ依頼してください。
次にご紹介するのは、違法ではないのですが、こういう意識で業務を行なう会社は違法な取引をするかもと疑ってしまうような事例です。
◇ケース3(不動産広告での見せ方)
全く同じ手法の事例を立て続けに見ました。相談というのは、この物件は異常に安いんだけど、何かあるんでしょうか?というものです。
例ですので数値はモデルケースです。
近隣の地価相場:約70万円(一坪当たり)広告での土地単価:約40万円(同)
記載されている物件の概要と写真では問題なさそう。
この土地はいわゆる“旗状敷地(別名敷地延長)※4”です。文字情報には間違いはないのですが、写真は手前の整形地も併せて全体像といして撮影しているため、物件のことを知らない方は、この土地全部が当該物件だと誤認してしまった。
このような広告を作成したのは、格安物件と意識的に誤認させ、集客を図ろうとする意志によるもの。集客した後、土地の説明をして、そのまま買ってくれてもいいし、そういうことかと分かった後、違う物件にしてもらうのもよし、ということです。
この意識は、売ることを強く、もしくは、売っちゃえばこっちのものというもので、これが限度を越えると違法まで走ってしまいます。このような広告をする不動産会社には近寄らないことが自己防衛になります。
※4 道路から建物のまでに幅2~3m程度の通路がある敷地
同じ業界にいる身として、ちょっと悲しいですね。不動産業界だけではないのでしょうが。
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