不動産業者の情報操作(06.09.18)
不動産業界や制度に対するご意見や分かりやすく引き込まれるような文章力に、私が一目を置いている山たっくんさんが、運営しておりますブログで、ここ数日“おとり物件”について取り上げていらっしゃいます。
おとり物件とは、お客さまの誘引を目的とした架空の不動産情報であり、悪意に満ちた故意の不動産情報の操作です。これは、悪意もなく故意でもないが、情報のメンテナンスが不十分で、すでに募集が終了している情報を掲載している場合もあり、このケースを意識的に使い、故意ではないが過失を装う手口になります。
不動産業は情報産業の一面もありますから、過失でもいけないのですが、現在の不動産流通市場の仕組みでは、過失ゼロにすることは現実的に不可能であり、全ての不動産広告に対し、山たっくんさんのような豊富な知識と明晰な頭脳で調査することは不可能である現状から、仕組みそのものが直らない限り、なくなることはないでしょう。
不動産の情報操作つながりで、もうひとつ問題があります。不動産流通市場の中では、対不動産業への情報操作も行われており、お客さま直接ではないことから公に問題提議されることはありません。
不動産流通市場では、売却希望者より不動産売却の依頼を受けた場合、一部のケースを除き、一定の期間内に情報登録機構(レインズ)へ不動産売却情報を登録し、広く購入希望者を募集しなければならないと法律で定められています。
当然、法律で定められたことですから、過失でも故意でも、これが守られなければ違反になりますから、これを面と向かって違反する不動産業者や担当者はごく稀です。
問題なのは、登録された後の情報操作です。機構に登録された情報を見て、不動産業者は登録した不動産業者(元付けと呼ばれます)に問い合わせをし、資料を揃え、購入希望者に紹介するのですが、登録されているうちの半分は情報が出てきません。
理由は、契約予定、売り止め(購入希望者が現れ交渉中)、話が入っている(検討しているお客さんがいる)、担当者がいないから分からない、資料作成中などなど。
これもおとり物件と同様に、どこまでが本当なのか、情報を出さないための言い訳で使われていることも多くあり、これを確かめる手段もありません。(大手さんにこの傾向は強く、元大手仲介営業の証言でも、そんなの嘘ですよと)
情報操作は、対外部、対不動産業者だけに行われているのではなく、社内、店内でも、担当者が情報を隠してしまうことも行われています。
この情報操作により、誰が損して、誰が得するのか。損をするのは売却希望者で、利益を得るのは不動産業者(担当者)です。
法律で、情報登録機構が作られ登録する義務を課しているのは、広く公開し多数の購入希望者の目に触れることで、より良い条件での売却が可能性が出るため。売却希望者=一般消費者を不動産業者から守るためにあります。
情報が形式的に公開されても、実質的に非公開であれば、意味がありません。情報を隠匿することで、不動産業者や担当者は、自社自分の顧客を優先に紹介することができ、自社自分の利益を得やすくなります。
それは、広く情報を公開したら、もっと良い条件で購入する希望者を見つかる可能性があるにも関わらず、取り逃がすことになります。実質の利益損失は証明できないものの、機会損失はある。
自社自分の顧客を他社他人の顧客よりも優先させることそのものは営業活動の一環ですから否定はしませんが、もう一方の売却希望者=自社自分の顧客の利益には反しており、自社自分の顧客優先ということに矛盾しています。
また、住まいを探している購入希望者にとっても、全ての不動産会社と全ての担当者へ住まい探しを依頼することは現実的に不可能であり、広く情報が公開されることは、購入希望者にとっても良いことになります。
ただただ得をするのは、情報を操作している不動産業者と担当者だけ。自分が依頼した弁護士が依頼人の利益よりも報酬を高めるために活動したらどう思われますか?嫌ですよね。
でも、不動産業界ではまかり通っており、ブランドもある大手さんほどその傾向は強い。
おとり物件の件も、情報の隠匿の件も、物件主義の不動産市場と不動産業界に起因し、あらだらけの制度を放置している行政の責任。私なんかよりも頭も良く優秀な官僚の方々なら、やりようはいくらでもあると思えるのですが。
それとも、不動産業界とそこに携わる人間全てが聖人君子になればいいというファンタジーを行政は実現できると信じているのでしょうかね。先生と呼ばれる職業である教師も政治家も医者なども犯罪を犯す時代に。
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